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シマダノメ『見たよ!聞いたよ!練習場で!』Season.2 No.007

シマダノメ『見たよ!聞いたよ!練習場で!』Season.2 No.007

10月28日にジュビロ磐田からの期限付き移籍による加入が発表された針谷選手。「はりや」ではなく「はりがや」と読む。リリース資料によると身長は166センチとある。加入リリースの翌日となる29日の練習を見に行き、さっそく針谷選手の姿をグラウンド上に探す。

目に捉えた時に感じたのが「思ったよりも小さくはないな」ということ。そう感じた理由はすぐに理解できた。ボールを持つとき、背筋がピンと伸びている。つまり顔が上がり十分な視野が確保されているということ。そう、針谷選手の特徴は配球能力にある。

針谷選手が磐田の強化担当者から北九州からオファーが来ていることを知らされたのは25日、日曜日だったと言う。水曜日のリリースが出る前にさまざまな手続きがあることを考えれば、針谷選手は移籍に関して即決したということになる。

「そうです。すぐに決めました。とにかく試合に出たかったですから。それと北九州というチームにはずっと注目していたんです。今季一度目に対戦した時に感じたのが、若いし、良いサッカーをするチームだな、と。それと嫌な相手だとも思いました」

今季第6節の磐田戦は0-2で負けたが、その試合に針谷選手は磐田の一員として先発していた。それが針谷選手にとっての今季初めての先発ゲームでもあった。その試合のこと、針谷選手のことを小林伸二監督はこんなふうに振り返る。「高校生みたいな選手が出てきたなと軽い気持ちで見ていたら、試合が進むにつれて『この選手、結構やるな』って見方が変わっていったんですよね」。その時の印象がもちろん今回の獲得オファーにもつながっている。

針谷選手が北九州に注目し、移籍を即決したのは、北九州のスタイルが自身のプレースタイルにも合っていると感じたからでもある。

「僕はパスに自信を持っています。だから、各選手が良いポジションを取りながらボールを前に運び、ゴールへの道筋を探る北九州のスタイルは自分にすごく合うなと思ったんです」

良いサッカーを表現しているとは言え、現在の北九州は9戦未勝利の状況。そこは気にならなかったのか。

「自分にとって刺激になるチームだと思って来ることを決めましたが、そうやって来た自分がチームにとって良い刺激になれればいいとも思っています。それでチーム全体がもう一回息を吹き返す形になるように貢献できれば」

『チームの刺激になりたい』との言葉は『実際にプレーする中で』と考えて口にしたものだと思うが、その効果は早くも表れていると小林監督は言った。

「今日の練習、みんなすごく元気が良かったんですよね。昨日まで2日のオフだったことも影響しているんでしょうけど、タケ(針谷選手)が入ったことも影響していることは間違いないですね」

初めての練習参加を終えた針谷選手に感想を聞くと「きつかったです」。それならチームメートの観察はまだだろうなと思いきや「みんな足下がうまいですね。その中で裏に抜けるところで光る選手もいるので、良いバランスの構成だと思いました」と、前線の選手、つまり自分がパスを送る対象となるアタッカー陣の観察はしっかりと済ませていたのだ。

今節のツエーゲン金沢戦の出場は登録上の問題もなく出場は可能だ。

「行けます。まだ北九州に来たばかりですが、僕もまだ若いので」と、移籍後、即デビューにも意欲十分だ。

針の穴を通すようなピンポイント・パスで相手に痛みを、味方にゴールに向かわせる推進力を与える能力を備える秋の新加入選手に注目してほしい。

文:島田 徹

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