2022.6.26SUN18:00
ミクニワールドスタジアム北九州
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試合終了

ギラヴァンツ北九州
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前半
後半
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カマタマーレ讃岐
- スタジアム
- 入場者数
- 天候/気温/湿度
- 主審
- 副審
- 第四の審判員
MEMBERメンバー
REPORT試合経過
DATAデータ
STADIUM MARCHEスタジアムマルシェ
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第12節・福島ユナイテッドFC戦を1-1で、第13節・いわきFC戦を2-2と、上位争いを演じる2チームから引き分けによる勝点1を獲得したことは、まずまずの結果だと思えるのですが、チーム内に流れるムードは違うモノでした。
確かに9戦未勝利と苦しい状況から抜け出したわけではありませんから、それも当然かもしれません。特に、いわき戦での引き分けという結果を悔しがる声はたくさん聞こえてきました。
天野賢一監督は「あれだけの劇的な同点ゲームではありましたが、試合後のロッカールームで喜んでいる選手は誰一人いませんでした」と明かしています。
中山雄希選手は「勝ちたかった。あれだけのサポーターの方々が遠くまで足を運んでくれたのに…、情けない気持ちでいっぱいになりました」と話していました。
中山選手いわく、いわき戦を迎えるにあたってチーム内には「このゲームで勝てば、何かが変わる」というムードが充満していたと言います。だから勝てなかったことが本当に悔しかったのでしょう。
もう一つ深く考えを進めると、それだけ勝利への意欲が強かったのは、勝てるという自信や手ごたえが芽生えつつあるということでしょう。
天野監督も選手たちも「良い方向に進んでいる」「良くなっている実感がある」と口を揃えます。勝利を手にできるという根拠が揃いつつあるということです。
それにしても、首位争いを演じるいわきにかなり押し込まれながら、終盤の高澤優也選手の2ゴールで追いついた時の興奮はしばらくぶりに感じたものでした。
髙澤選手にいわき戦の話を聞くと、まず「クロスが2本とも素晴らしかった」と、1点目の池髙暢希選手、2点目の六平光成選手の非常に精度の高い、また素晴らしいタイミングとコースのクロスを絶賛していました。そしてこう続けました。
「2点目を決めた時に、『もう1点行ける』と思いました。2点目はアディショナルタイムに入ってのものでしたが、あの時の自分には時間のことがまったく頭になかった。時計をまったく見ていなかったので、まだまだ時間があると思っていたのです」
それだけ高澤選手はゲームに入り込み、得点を取るために非常に高い集中力を持ってピッチに立っていたということです。それもつまりは「何としても勝ちたい」という意欲の表れだったということでしょう。
中山選手が言った「勝てば何かが変わる」を勝利することで確認することはできませんでしたが、この2戦の引き分けを「変わるためのきっかけ」にすることはできるはずです。
それが懸かっているのが、今週末のカマタマーレ讃岐戦と次節の鹿児島ユナイテッドFCとなります。この2試合はいずれもホームゲーム。このホーム2連戦に懸けるチーム内に漂う意気込みは相当なものでしたから大いに期待できます。
では讃岐戦の見どころを探っていきます。ギラヴァンツ北九州とは勝点3ポイント差の13位につける讃岐もしばらく苦しい戦いが続いていました。
しかし、前節のSC相模原戦を1-0、6試合ぶりの勝利で連敗を3で止めています。つまり今週末のゲームには前向きな気持ちで臨んでくるだろうということです。
長く讃岐のダイレクター職を務め、今季から監督として指揮を執っている西村俊寛監督は、丁寧にボールをつなぐ攻撃的なサッカーを志向しています。
[3-4-2-1]システムをベースに戦っていますが、特に4バックを敷くチームに対しては、ポジション上のミスマッチを大いに生かしてテンポよくボールを回してきます。
前節で讃岐が戦った相模原は同じシステムのミラーゲームとなったために、丁寧なビルドアップがなかなかできていませんでしたが、前々節のいわき戦では、[4-4-2]システムを敷くいわきの圧力をうまくかわしてボールを前進させていました。
ギラヴァンツ北九州も、いわきと同じく[4-4-2]の形で選手を配置するのが基本なので、特に守備時においてはポジション上のミスマッチにどう対応して讃岐のビルドアップに制限を掛けるかがポイントになります。
ここで生きてくるのが第12節の福島戦です。福島は讃岐と同じ[3-4-2-1]の選手配置でした。
天野監督は「前半はミスマッチをうまく埋められなかった。僕らはそれを埋める戦術を準備していましたが、それをうまく表現できなかった。でも、後半に入ってかなりうまく対応することができました」と言います。
つまり福島戦での失敗体験と成功体験の両方を讃岐戦で大いに生かされるだろう、ということです。
システム上のミスマッチにネガティブな側面だけがあるわけではありません。攻撃においては、そのミスマッチがプラスに働きます。選手の立ち位置がずれるのでボールを比較的スムーズに動かせるからです。
選手配置の違いによるミスマッチをどうやって埋めて、どう生かしていくのか。讃岐もそこはかなり意識してくるはずなので、そこの駆け引きはこの試合の重要な見どころになるはずです。
天野監督は丁寧なビルドアップをする讃岐のようなチームとの対戦が「どちらかといえば、やりやすい」と話しています。
その理由は、ロングボールを蹴り込んでくるチームとは違って、前からのプレッシングがかけやすい、それによって高い位置でボールを奪って素早い攻撃を仕掛けられる場面が増えるからです。
実際に、GKからのビルドアップにこだわる讃岐が相手のプレッシングにあって途中でボールを引っかけられてピンチを招く場面は1試合で複数回ありますから、そこはギラヴァンツ北九州にとっても狙いどころとなるでしょう。
ギラヴァンツ北九州の先発メンバーとその選手配置は、そういう讃岐の長所、短所を考えたものにもなるはずなので、天野監督の考えを推測しながらゲームを見るのも面白いと思います。
どの試合も先制点を取ることができればかなり優位に進めることができるものですが、ここ2試合の展開を考えると、この讃岐戦では先制点の重要性がさらに高まってきます。
福島戦もいわき戦も先制を許した中での引き分け。その展開から「先に点を取ることができれば勝てる」という思考になるのもうなずけますよね。
中山選手も先制点が重要だとしながら「その前に、やられない(失点しない)ことが大事」だと言います。そして「そのためのハードワークと球際の争いに負けないこと」も付け加えています。
苦しい戦いが続く中でチームとして改めて意識を置くようになった戦う上でのベースの徹底がちゃんとできるようになったから「ボールをうまく前進させることができ、それが得点につながっている」と中山選手は言います。
さまざまな手ごたえを勝利という結果につなげる。それが讃岐戦と鹿児島戦のホーム2連戦の大きなテーマです。さあ、勝ちますよ‼
[文:島田 徹]
MATCH DATA マッチデータ
STATS スタッツ


THE LAST TIME STARTING LINEUP
GK | 27 | 田中 悠也 |
DF | 4 | 河野 貴志 |
DF | 22 | 永田 拓也 |
DF | 23 | 藤原 広太朗 |
DF | 44 | 藤谷 壮 |
MF | 7 | 佐藤 亮 |
MF | 8 | 六平 光成 |
MF | 11 | 永野 雄大 |
MF | 18 | 中山 雄希 |
FW | 10 | 髙澤 優也 |
FW | 13 | 前川 大河 |

THE LAST TIME STARTING LINEUP
GK | 1 | 高橋 拓也 |
DF | 6 | 長谷川 隼 |
DF | 33 | 遠藤 元一 |
DF | 29 | 田尾 佳祐 |
MF | 4 | 内田 瑞己 |
MF | 3 | 松本 直也 |
MF | 7 | 西本 雅崇 |
MF | 21 | 臼井 貫太 |
MF | 17 | 後藤 卓磨 |
MF | 10 | 川﨑 一輝 |
FW | 11 | 松本 孝平 |
RADAR CHART レーダーチャート


PATTERN 得点パターン


RANKING 得点ランキング


HOT ZONE ホットゾーン


COMMENT 試合前コメント
MANAGER
天野 賢一Kenichi AMANO

「前節、いわきさんはプレッシャーも速く、ロングボールを有効に使ってくるやり方で対応が難しい相手でした。ただ、守備ではしっかりハードワークし、攻撃でも捕まった場面こそ多かったものの相手を外していこうという意識は強く、切り替えも速かった。それが終盤の展開につながったと思います。試合後のロッカールームでも、喜んでいる選手は誰一人いなかったし、勝利への意欲や自分たちはやれるんだという意識もより一層強まっていると思います。
讃岐さんは丁寧にビルドアップして良い攻撃をしてくるチーム。守備ではシステム的にミスマッチになる部分があるので福島戦の反省を活かして戦いたいですし、相手がつないでくるのであれば、うまく引っかけてカウンターを繰り出していきたい。ホーム2連戦ですし、なんとしてもサポーターの皆さんへ良い姿を見せられるよう良い準備をしたいと思います」
PLAYER

永野雄大Yudai NAGANO
「(前節、久しぶりのスタメン出場)タケ(針谷岳晃選手)が今まで頑張ってきた分、自分が出た時に何ができるかということで、自分の特長でもある間でボールを受けることや、ハードワークの部分で貢献しようと思っていました。間でボールを受けるところは試合展開や相手の強度もあって回数自体は多く出せなかったですが、ハードワークの面においては、走ってチームに貢献するという点である程度できたと思います。ただ、次はもっと走ってチームの攻撃を活性化させられればと思います。
(課題であった距離感について)僕たち後ろの選手が、ボールが前に入った時にある程度押し上げておかないと、奪われた時にプレッシャーに行けない距離でズルズル下がってしまうので、センターバックやボランチ含め前に入った時のFWとの距離感はすごく意識して話をしながらやっています。
(讃岐戦について)相手は組織として頑張ってくるチームなので、まずはそこで上回ることが大事です。その中で一人一人のプレーの質も上げていければ、絶対に勝てると思っているので、まずは自分がリーダーシップを執って闘うところをサポーターの方にも見ていただきたいですし、今のチームなら大丈夫だと思ってもらえるようにしっかり闘って勝利を届けたいと思います」
PLAYER

池髙暢希Nobuki IKETAKA
「いわき戦は途中出場でしたが、見ていて入りは悪くなかったと思います。ただ、ボールを持たれる時間が長く、押し込まれる時間も長くなって結局失点してしまい、どんどん皆の勢いがなくなっている感じがしたので、呼ばれた時にはなんとしてでも起点になり、まずはボールを持つ時間を長くして流れをつかもうと思っていました。ただ、ピッチに入ると意外にボールを持つ時間が増えて攻め込めるなと思ったし、前には優也くん(髙澤選手)と禅くん(狩土名選手)も入っていたので、どんどんクロスを上げようと思っていました。
前への推進力や湧き出るパワーみたいなものが、後半やビハインドになると出てきてチャンスや得点につながっているので、前半からやれればと思います。皆うまいから、組み立てようとする意識が強い部分もあると思うので、それにプラスして湧き出るパワーを最初から出せればいいのかなと。やはり、そういう部分ではいわきは本当にすごいし、J3リーグの特徴でもあると思うので、自分がプレーや声でそういう点を伝えていければと思っています。いわき戦においては、それがうまく結果につながって良かったと思っています。
(讃岐戦について)次はどういった形で試合に絡めるかはわかりませんが、途中出場であるならば前節のようなプレーや結果を出していくしかないと思っています。先発であれ途中出場であれ、得点に関わることや、クロスをどんどん上げることを意識したいですね。せっかく中に強い選手がいるのに数が少ないと感じますし、クロスは自分の強みでもあるので、ハードワークできるところと併せて、自分の特長をしっかり出していければと思います」
COMMENT監督コメント
MANAGER
天野 賢一Kenichi AMANO

[試合総括]
4月3日の今治戦を最後に、長く勝利から遠ざかり、その中で選手達は勝つためにもがきながら頑張ってきたというところです。ファン・サポーターの方々やスポンサーの企業の皆様、地域の皆様にも悔しい思いや残念な思いを長くさせる事になってしまったんですけど、今日1つの勝利を得ることができてすごく嬉しく思っています。勝てない時期にもいろいろなゲームがあったんですけど、選手達はブレることなく1つの方向性の中で厳しいトレーニングを積んできてくれたので、以前の我々よりもだいぶたくましく強くなった状態で、今日の1勝を飾れたんじゃないかなと思っています。
ゲームの内容としては、讃岐さんは攻守において組織的でハードワークをするチームで、パスワークも非常に素晴らしいものがありますし、プレッシングに関しても組織的にかけてくるということでそれに対して準備をしてきました。選手達はすごく落ち着いて相手のプレッシャーを外しながら前進してくれたと思いますし、記録的にシュート数は少なかったかもしれないですが相手のプレッシャーをかいくぐり、1点目のシーンは相手の守備組織を分解して最後は相手のキーパーと2対1になるところまで崩したというのは素晴らしかったと思います。欲を言えば2点目を取って突き放す形ができれば良かったんですけど、そこまでは至らなかったです。後半に関しては1点負けている讃岐さんが前にどんどんプレッシャーに出てきたり、攻撃的になってきたりしているところをもう1つかいくぐって追加点を取れたら、すごく力のあるチームと言えるだろうなと思いますけど、まだそこには及ばなかったです。押し込まれる時間もありましたけど、守備も最後まで粘り強くできましたし、0点で抑えて1-0で勝てたというのは次に繋がるゲームだったと思います。
次は上位の鹿児島戦、天皇杯で負けていますしその悔しい思いもありますから、勝ってホームで2連勝できるように準備していきたいと思います。
COMMENT選手コメント
PLAYER

六平 光成Mitsunari MUSAKA
Q:試合を振り返って。
A:前半は入りが良くて先制点も取れて、その後に少し守りに入っちゃった訳ではないんですけど少し押し込まれて流れを戻してしまったのはもったいなかったし、そこで相手にまた自信をつけさせてしまったのももったいなかったと思います。後半も入りが良くて、最初に抜けてチャンスを作れそうなところもあったし、ラストのところでもう少しできればもっとチャンスになりそうなシーンもあったので、もっと精度を上げて追加点が取れるように次はやりたいです。ただ、皆でしっかり0点に抑えて勝てたのは本当に良かったなと思います。
Q:先制点を奪ったシーンはチームとして狙っていた?
A:立ち位置的に数的優位を中盤で作れるという話で、そこでうまく(前川)大河のヘディングが(髙澤)優也に渡ったタイミングで相手の守備が崩れているのは分かっていたので、後はタイミングよく走って抜けてという感じで、本当に良かったです。
Q:六平選手と永野選手は前節からボランチを組んでいますが、うまくやれているという感覚もあるのでは?
A:距離感も良くやれていますが、もっと良くなると思うし、もっとできることもあると思います。さらに関係性を良くできれば、もっとポンポン間に入ったり、安定して回せるようになるかなと思います。
Q:サポーターの方にメッセージをお願いします。
A:次もホームでできますし、連勝することがすごく大事です。また勝てるように頑張るので、引き続き応援をよろしくお願いします。
PLAYER

佐藤 亮Ryo SATO
Q:今日の試合を振り返って
A:本当に嬉しい気持ちと、やっと勝てたという安堵の気持ちでいっぱいです。ここ最近先制点が取れていなかったので、チームとして先制点を何としても取ろう、前半で先制点を奪って自分達の試合運びをしようと試合前に話していました。それがうまく実現できて、1点しか取れなかったですけど、その1点をチーム全員で守り抜いてやっと掴んだ勝利だったので、本当に嬉しかったです。
Q:先制点のシーンを振り返って
A:ディフェンスラインからうまく繋いで、シンプルだけど技術が詰まった繋ぎから全員が足を止めることなく走り抜いて、最後は六平選手から決めるだけのボールを頂いたので、後はゴールに流し込むだけでした。あそこまで信じて走っていけたので、それがゴールに繋がって良かったかなと思います。
Q:無失点での勝利も大きかったのでは?
A:やはり点を取った後にどうしても構える時間が多かったので、そこはチームとして改善していかなければいけないところですけど、キーパーとディフェンスを含めて0点で抑えてくれたし、最後の最後まで体を張ってきつい時間がずっと続きましたけど、それでも0点で抑えてくれました。本当に後ろの選手に感謝しないといけないし、フォワードの選手も前から追ってくれて、11人が集中を切らすことなく戦い抜いて0点に抑えることができたので、自信になる無失点だと思います。
Q:今後に向けての意気込みを。
A:これで次に負けてしまったり、この流れが途絶えてしまっては今日の勝利は意味がなくなってしまいます。これから自分達がどうやってこの勝利を繋げていくかというのは明日からにかかっていると思いますし、気を引き締めて次の勝利に向かってチーム全員でやっていきたいと思います。また、今日も反省点は多いのでそれを次回以降に繋げて、しっかり課題を修正して勝利につなげていきたいです。