INFORMATION試合情報

2024明治安田J3リーグ 第26節
福島ユナイテッドFC
VS
ギラヴァンツ北九州

2024.8.31SAT18:00

とうほう・みんなのスタジアム

AWAY

試合終了

福島ユナイテッドFC

福島ユナイテッドFC

前半

後半

ギラヴァンツ北九州

ギラヴァンツ北九州

 

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MEMBERメンバー

REPORT試合経過

DATAデータ

前節アウェイでの奈良クラブ戦は2試合連続となる2-0のスコアでの勝利。「複数得点+無失点」という内容的にも満足できるゲームとなり、13戦負けなしと好調をキープしています。

ただ負けないだけではなく、安定した攻守を見せる「強さ」を感じさせる内容となっていますが、それも油断や慢心がない非常に良いメンタルで試合に臨めているから。増本浩平監督は次のような言葉で選手の気持ちを引き締めています。

「チームとして強くなっていることは確か。でもどんな相手でも、どんな状況でも勝てるだけの強さはまだ手にできていません」

「先制して、追加点奪い、さらにダメを押す。そういう相手の希望を打ち砕く試合ができるようになるまでにはまだ課題があります」(以上、増本監督)

今季最多の4連勝がかかる今節の福島ユナイテッドFC戦もこれまでと同様にチームはまとまり、最後まで集中力を切らさずに戦い切る姿を見せてくれることでしょう。

では福島の情報をおさらいしていきます。今季からチームを率いるのは長く川崎フロンターレでコーチを務めてきた寺田周平監督です。

監督経験1年目の寺田監督は川崎Fと同じくパスサッカーを志向したチームづくりを進め、第18節時点で3位に浮上する好調な戦いぶりを見せました。

しかし、第19節でギラヴァンツ北九州に1-2で敗れるとそのあとも負けが続き今季初の3連敗を喫して順位後退。ギラヴァンツ北九州戦以降の勝点獲得は第22節のテゲバジャーロ宮崎戦の勝利と第23節・松本山雅FC戦の引き分けの2試合のみ。

前節のカマタマーレ讃岐戦が雷雨のため中止となり1試合消化が少ないこともあり現在は12位。決して好調とは言えない状況にある福島ですが、増本監督は対戦を前に気を引き締めていました。

「福島は最近あまり勝てていませんが、特に攻撃面でのクオリティーは依然として高い。前回対戦もわれわれが勝ったものの、危ない場面を複数つくられました」

「今の順位に少し差はありますが、力の差はないと見ています。前節の讃岐とのアウェイ戦の中止がどのような影響を及ぼすかは分かりませんが、福島が十分に気を引き締めて当たらないといけない相手であることは間違いありません」

増本監督の言葉にもあるように福島のストロングポイントは攻撃力です。ここまでの1試合平均得点数は「1.5点」で、これはリーグ5位タイとなる数字。

その高い得点力をどのようなスタイルで実現しているのか。それは精度の高いパスとそれによる高いボール保持率が土台となっていると言えます。

福島の1試合平均パス数は「538.8本」でリーグ2位の多さ。平均ボール支配率は「54.6%」でこちらもリーグ2位です。ちなみにギラヴァンツ北九州はそれぞれ「425.1本」で9位、「49%」で11位です。

パスによる崩し方もチームによって様々ですが、福島の最終的なシュートチャンスのつくり方は、スルーパスによるものが多いという印象です。そのスルーパスの1試合平均は「14.3本」でリーグ1位。

そうしたスルーパスを駆使しながらの崩しが効果的なものであることは1試合平均のチャンスクリエイト数「12.8回」、リーグ1位という数字にも表れています。

ちなみに福島の中で最もスルーパスが多いのは川崎Fからの期限付き移籍で今季加入したMF大関友翔選手で67本。19歳の若手ですが、その攻撃センス、パスセンスには警戒が必要です。

そういう福島を相手とする今節はギラヴァンツ北九州にとって守備力が問われる一戦となります。福島の攻撃力は確かに高いレベルにありますが、ギラヴァンツ北九州の守備力もここに来てさらに高まっています。

ギラヴァンツ北九州は現在5試合連続無失点とシーズン序盤から発揮してきた堅守にさらに磨きが掛かっている状況にあります。この高い守備力の要因は何なのか。監督と複数の選手の言葉から探っていきましょう。

「チーム全体としてのやり方が浸透していること、その中でそれぞれの選手が自分のタスクをしっかりとこなし、チームとして隙なく、また粘り強く守れているから」

「攻撃から守備への切り替えが速いことや前からのプレスを外された後に自陣で守備ブロックをつくっての対応もしっかりとできていることが要因だと思います」(以上、増本監督)

右サイドバックで攻撃への効果的な参画を見せる山脇樺織選手はこう言います。

「前からのプレスのハマり具合が良いこと。あとはGK田中悠也選手と杉山耕二選手と工藤孝太選手、2人のセンターバックの安定感が高いことが要因だと思います」

山脇選手から高く評価された杉山選手は複数に及ぶ要因を挙げています。

「チームとしての守り方が浸透してきたことやゴール前でしっかり身体を張ることができていることも理由だと思いますが、攻撃の形が良いことも大きな要因だと感じます」

「最近は先制することができているので守備陣は余裕がある状況でプレーできています。シーズン序盤は先制されて、余裕がなくなり、行かない方が良い場面でも少し無理をして飛び込んでしまい、結果的に最終ラインのバランスを崩すこともありましたから」

「あとはこうして無失点が続くことでチームとして、また守備陣として自信が深まったことも大きいと思います」

「また前後半の入り、相手に流れがある時など、チームとしてしっかり締めるべき場面で、全体で声を掛け合うことができていること」

「今もどの試合でもピンチは必ずあって、それをなくすためにどうすべきか、ということをみんなで考えることができていること、それをチームとして共有できていることも無失点につながっていると感じています」

ボランチとして攻守でボールによく絡んでいる高吉正真選手は福島の前記のような特徴的な攻撃スタイルを踏まえてどういう守備対応が必要かを話してくれました。

「福島はワンツーとか3人目の動きを入れながらの崩しがうまい。守備時のチャレンジ・アンド・カバーやパスの受け手が次のパスを出しづらくなるようなしっかりとした寄せが必要ですし、出したあとに再度受けようとする相手選手へしっかりついていくこと、あるいはマークの受け渡しが大事になると思います」

3試合連続得点中の永井龍選手や前節で約3カ月ぶりに今季2点目となるゴールを挙げた牛之濱拓選手、2試合連続アシストの藤原健介選手などが軸となる攻撃はもちろんですが、今節はチームとして実現する堅守にもぜひ注目してほしいと思います。

選手たちはこの福島戦で前節・奈良戦に続くアウェイ戦勝利を手にして、上位対戦となる第27節・今治FC戦に臨みたい、ギラフェスと同様に多くのファン、サポーターとミクスタで喜びを分かち合いたいと話していました。その実現、期待して良いと思います!

[文:島田 徹]

MATCH DATA マッチデータ

STATS スタッツ

スタッツ スタッツ

THE LAST TIME STARTING LINEUP

GK 1 吉丸 絢梓
DF 3 松長根 悠仁
DF 27 野末 学
DF 5 大森 博
DF 28 鈴 直樹
MF 41 上畑 佑平士
MF 17 針谷 岳晃
MF 14 大関 友翔
FW 7 塩浜 遼
FW 40 樋口 寛規
FW 10 森 晃太

THE LAST TIME STARTING LINEUP

GK 27 田中 悠也
DF 22 山脇 樺織
DF 50 杉山 耕二
DF 13 工藤 孝太
DF 33 乾 貴哉
MF 6 藤原 健介
MF 34 高吉 正真
MF 29 高 昇辰
MF 17 岡野 凜平
MF 21 牛之濵 拓
FW 10 永井 龍

RADAR CHART レーダーチャート

レーダーチャート レーダーチャート

PATTERN 得点パターン

得点パターン 得点パターン

RANKING 得点ランキング

得点ランキング 得点ランキング

HOT ZONE ホットゾーン

ホットゾーン ホットゾーン

COMMENT監督コメント

MANAGER

増本 浩平Kohei MASUMOTO

[試合総括]
はじめに、台風で九州がかなり被害がありましたが、その中で福島まであれだけのサポーターが来てくれて僕らと一緒に戦ってくれたことというのはすごくありがたいことだなという風に感じます。今日来てくださった方の中にも大変な思いをされてる方がいらっしゃると思うと、やっぱり勝って笑顔で帰してあげたかったなという風に思います。台風で被害を受けられた方には、何か僕らもできることで支援していきたいなという風に思っています。

僕らは幸いなことに少し早く福島に入ることができて準備をすることができたんですけども、いつもと違う準備の中でやれることを精一杯、選手はやってくれたと思います。クラブの方もこのゲームに向けて本当に100パーセント努力をしてくれて、僕らが今日ゲームができるようにしてくれたことに関して感謝しています。
ゲームとしては、4-3-3でボールを動かしてくる中で、サイドバックを少し高く取らせる。そして中央がオーバーロードしてくるという、普通の4-3-3でウイングが外に貼ってピン留めするシステムとは違い、少し内側に入ってくるというところで、中盤の出入りと特に森晃太選手がボランチの背中側でボールを受けることに関して、どういう風にそこを見ていくのかということは準備をしてきましたが、やはり準備してきたもの以上のクオリティを福島さんが出していたので、なかなかそこが見れなかったなというのはありました。ただ、最後のところ、オープン外というよりは中に差し込んでくるというところに関しては、中を閉じて最後のところで防げれば問題ない、ということでやってきました。もう少し前半から、前の高い位置からボールを奪いに行く、プレスをかけるというのは表現したかったなと思います。飲水タイムの時に少し話をして、そこから少し前半の終わりぐらいまではいい形でかけることはできたかなという風に思っています。
後半は少し守備のやり方を変えたところがもちろん準備はしてきましたけども、選手が混乱してしまったかなというのはあったので、ハーフタイムでどう伝えるのか、どういう風に修正するのかということに関しては完全に僕のミスだなという風には思っています。そこに関して選手はなんとかゲームの中で改善しようというのが見えたので、本当に頼もしいなという風には思っています。そういったところが今までなんとかギリギリ守れていた部分ではあったと思うんですけど、今日は上回れてしまって失点をしてしまったので、また修正して次に向かっていきたいなと思います。

Q:13試合負けなしがここで途切れてました。メンタル的にどういう風に持っていきたいですか。

A:ホテルに帰るまでに切り替えろと試合が終わってから言ったので、メンタル的にどう持っていきたいということは特にないです。僕らは今までうまく来てましたけど、やっぱり去年がある中でというところは常に全員で確認してますし、そういった慢心が何を生むのかということは選手・スタッフが本当に理解した中で今シーズンやれています。
13試合負けてなかったからというのは今までも意識していませんでしたし、今後も別に意識はしていきません。次、今治さんとホームでやりますけど、やっぱり連敗をするというのは昇格するためには難しくなってくると思います。今までいい雰囲気で来ていて、ホームでもお客さんが増え始めていて、たくさんのお客さんに来ていただきたいので、次節に向けてやってくだけです。

COMMENT選手コメント

PLAYER

田中 悠也Yuya TANAKA

18

Q:悔しい結果になりましたが試合を振り返っていかがですか?

A:前半から攻め込まれるシーンが多くあって、そこを受け入れた中でうまく0点で推移させていって前半を終えることができたのはよかったかなとは思います。ただ、最後の最後に結局やられてしまったので、何も意味がないというか。失点する前から、少し戦う相手を間違えていたというか、ちょっと周りもフラストレーションが溜まってきて、ちょっと矢印が自分たちじゃなくて審判であったり、他のコントロールできないものに少し動かされていた部分はありました。今日は負けるべくして負けたなというのが正直な印象です。いつか負けるときはくるので、負けた後が、負けた試合よりも大事だと思うので、次どうするか、このまま落ちへ行ってしまうのか、もう1回勝って上がっていけるのか。負けなしを続けてきたことよりも次の試合がこれまでで1番大事になってくるかなと思います。

Q:田中選手はファインセーブもありましたし5試合連続無失点、複数失点も14試合ないという状況で守備には自信を持ってたと思います。

A:守備に関してはこれまでもずっと自信を持ってやってきてましたし、今日も僕だけじゃなくて、僕以外の選手が体を張って体で防いでくれたシーンであったり、シュートを打たれる場面でも相手にしっかり寄せてくれたことによって僕の正面に来たり、難しくないコースにシュートを打たせてくれた場面もありました。継続するべきところはしっかりして、失点もいつかするし負けもいつかするとは心の中では準備して思ってはいたんですけど、失点することというのはすごく悔しいし負けることもやっぱりすごく悔しいので、この悔しさをいかにどう繋げていくかということの方が大事になってくるかなと思います。

Q:次の試合はFC今治で今日も点をかなり取っています。どう戦っていきたいですか?

A:相手もすごいアグレッシブに前から攻めてくるチームですが、今まで結局相手がどうあっても別に自分たちのやることは正直あんまり変わらないです。後ろは0点か1点で抑えれば、今までも前の選手が点を取ってしっかり勝たせてくれてたので。攻撃が得意なチームであればあるほど、僕ら守備陣の見せどころではあるので、そこをしっかりもう1回0点で抑えて、自信を持って、次はホームなのでミクスタのサポーターの力も借りてもう1回無失点で次に進んでいけたらなと思います。

Q:台風で移動が早まっていたと思いますが、コンディションの調整はいかがでしたか?

A:そこは言い訳にしたくないですね。むしろ前日でその北九州から福島まで来るよりも、コンディション的には移動が少なかったので、ほとんどホームのようなコンディションでできたので、そこは言い訳にはしたくないですし、負けたのは僕らの責任であるべきなので。でも1つ言えるのは、こんな中でも北九州からこんなたくさんのサポーターが来てくださったり、クラブも僕らのコンディション面をしっかり理解した中で、イレギュラーな対応をしてくれたのにも関わらず勝てなかったというところがすごい申し訳なく責任を感じてます。