2024.8.24SAT18:00
ロートフィールド奈良
AWAY
後半5分
奈良クラブ
前半
後半
ギラヴァンツ北九州
- スタジアム
- 入場者数
- 天候/気温/湿度
- 主審
- 副審
- 第四の審判員
MEMBERメンバー
REPORT試合経過
DATAデータ
-
第24節・カターレ富山戦が行われた8月17日は本当に素晴らしい一日になりましたね!
増本浩平監督や選手、クラブスタッフが一丸となって十分な準備を進めた『ギラフェス』は今季最多の1万2448人がミクスタに集う大成功を収めました。
その素晴らしい雰囲気の中で選手たちも奮闘して3位・富山から勝点3をゲット。6試合連続無失点と堅守を誇る富山から2得点を奪った上に4試合連続となる無失点。これ以上ない内容と結果を出しました。
2連勝、無敗記録を12試合に伸ばしました結果、今季初めてJ2昇格プレーオフ圏内の5位に浮上、さらにチームは勢いづきました。
一大イベントの成功と再開初戦での大一番で勝利を収めたことで、もしかしたら安堵から気の緩みがでるかもしれないとの不安がありましたが、そこは増本監督がしっかりと押さえています。
「当たり前のことですが、ここで満足していてはダメです。相手のわれわれに対する警戒が強まり、上位を争う中でメンタル面を含めたいろいろなプレッシャーがかかって来るこれからの戦いでチームの真価が問われるのです」
大きな勝点3を手にした富山戦は新加入選手のデビュー戦に。夏の補強第2弾としてJ1のコンサドーレ札幌から育成型期限付き移籍で加入した大森真吾選手が途中出場でミクスタ・デビューを果たしました。
チーム合流後、わずかな時間で起用に踏み切った理由と大森選手の特徴を増本監督に聞いています。
「合流後時間がない中でまだ戦術的な理解と周囲との連係は不十分でしたが、彼が入るとどうなるかを見たかったので思い切って起用しました。いろいろな発見があったので起用した意味はあったと感じています」
「フォワード陣には永井龍、平山駿、渡邉颯太の3人と、サイドハーフとの兼務の高昇辰がいますが、大森はいずれとも異なるタイプです。いわゆる『9番』タイプの安定感あるポストプレーが武器の選手です」
既存のFWとタイプの異なる大森選手の加入により、攻撃に多彩さが生まれるはずです。しっかりと足下にボールを収めて前線でタメをつくり、前向きな選手を有効に活用することができるでしょう。
ボールを預けて動き、再び受け直してボックス内深くに進入する牛之濱拓選手や平山選手、若谷拓海選手や井野文太選手らも大森選手の加入で特徴が生きることが期待できます。
そのポストプレーのレベルの高さは順天大での先輩にあたる長谷川光基選手が次のように証言してくれました。
「太ももは驚くほどに太い。それを生かして発揮する下半身パワーは、まるで馬のようです。そこは大学の時からさらにパワーアップしており、練習でマッチアップした時にボールを奪いに行こうとしてもまったく動じません」
もちろんポストプレーだけではなくゴール前での得点感覚も優れています。富山戦で同じく途中出場の若谷選手の右からの折り返しに頭から飛び込んだシーンは迫力十分でした。
大森選手自身にもデビュー戦を終えての感想を聞きました。
「最高の雰囲気の中でデビューできたことは良かった。ギラフェスの盛り上がりのすごさを実感できたこと、そこで勝てたことが素直にうれしかった」
「知っている選手もいるし、チームの雰囲気になじむことはすでにできていると思います。ただ、細かいところでのチームのやり方の理解と、それをスムーズにプレーとして表すにはまだ時間は必要です」
「あとは僕自身のゲーム勘やコンディションを上げる必要も感じています。ただ、それらを向上させてチームの勝利に貢献する自信はあります」
「次の奈良戦はまだチームの中で機能的に働くことは難しいかもしれませんが、それでも僕はフォワードなので、やはり得点がほしい。それで自分も波に乗れるし、チームメイトからの信頼も得られるはずです」
さて大森選手の初得点にも期待したい奈良戦についての話に移りましょう。奈良のここまでの総得点はリーグ8位タイとなる33点。ここ10試合における複数得点試合は5試合もあります。
一方で、総失点はリーグで5番目に多い38失点で、複数失点はここ10試合で6試合もあります。この数字からも奈良が攻撃に主眼を置いたスタイルで戦うチームであることが分かります。
攻撃においては3トップの活躍が目を引きます。百田真登選手と嫁阪翔太選手がともに6得点、そして昨季ギラヴァンツ北九州に在籍した岡田優希選手がチームトップとなる8得点。
チームの総得点の半分以上を挙げているその3人をいかに抑えるかが守備におけるポイントになりますが、それぞれを抑えるための両サイドバック、センターバックの1対1の守備は特に注目すべき点です。
そして奈良が古巣で、その一戦での出場に強い意欲を見せる髙橋隆大選手は警戒すべき選手として「前線の選手を生かすパスセンスと精度の高さがあり、恵まれた体格を生かしての守備も効果的」という理由で中島賢星選手を挙げています。中島選手をどう抑えるかにも注目しましょう。
奈良の守備のウィークポイントがどこにあるか増本監督は前節のゲームを見て、ある程度の分析はできている様子で、どういう手立てで奈良のゴールに迫るのかが楽しみです。
奈良は現在2連敗中、しかも今季一度目の対戦は2-1でギラヴァンツ北九州が勝っていますから良いイメージで試合に入ることができそうです。
しかし、増本監督は「一度目の対戦で勝った相手との2戦目はメンタル的な部分も含めて難しくなります。相手はホームでの勝利への意欲が高まるはずなので、十分な警戒が必要です」と気を引き締めています。
選手もそのあたりは十分に理解していて、例えば工藤孝太選手は奈良戦に向けて次のように話しています。
「個人的には目の前の試合に集中するだけで精一杯です。余裕があるように見えるとよく言われますが、実際にはそんな感じです」
「だから負けなしを継続しようとか、負けて無敗記録が途絶えたらどうしようとかの不安もない。ただ次の試合で勝点を獲得するために集中するだけ。奈良戦もそういう意識で臨むつもりです」
「ここからチームの真価が問われる」という指揮官の考えを理解している選手たちは好調の中にあっても浮かれる様子はありません。そのあたりは奈良戦に向けた最初の練習での引き締まった雰囲気に表れていました。
岡野凜平選手は「次のホームゲーム第27節のFC今治戦に良い状態で臨めるように奈良戦と福島ユナイテッドFCと続くアウェイ2連戦はしっかりとした戦いと結果を残したいと思います」と話しています。
好調だからこそ気を引き締めて。しかしここまで積み上げてきたモノに自信を持って堂々と。奈良戦ではそんな戦いを期待しましょう!
[文:島田 徹]
MATCH DATA マッチデータ
STATS スタッツ
THE LAST TIME STARTING LINEUP
GK | 96 | マルク ヴィト |
DF | 22 | 生駒 稀生 |
DF | 5 | 鈴木 大誠 |
DF | 8 | 堀内 颯人 |
DF | 49 | 下川 陽太 |
MF | 14 | 中島 賢星 |
MF | 25 | 神垣 陸 |
MF | 20 | 國武 勇斗 |
MF | 11 | 西田 恵 |
MF | 31 | 岡田 優希 |
FW | 17 | 百田 真登 |
THE LAST TIME STARTING LINEUP
GK | 27 | 田中 悠也 |
DF | 22 | 山脇 樺織 |
DF | 50 | 杉山 耕二 |
DF | 13 | 工藤 孝太 |
DF | 33 | 乾 貴哉 |
MF | 6 | 藤原 健介 |
MF | 34 | 高吉 正真 |
MF | 29 | 高 昇辰 |
MF | 17 | 岡野 凜平 |
MF | 21 | 牛之濵 拓 |
FW | 10 | 永井 龍 |
RADAR CHART レーダーチャート
PATTERN 得点パターン
RANKING 得点ランキング
HOT ZONE ホットゾーン
COMMENT選手コメント
PLAYER
藤原 健介Kensuke FUJIWARA
Q:(富山)前回の試合を振り返ってみて
A:ギラフェスということもあり、たくさんお越しいただいたサポーターの皆さんのおかげで、良い雰囲気で試合に臨めました。選手自分達の力だけではなく、ギラヴァンツ北九州に関わる全ての方達の力があって勝てた試合だと思いますし、奈良戦にもたらす影響は大きいと思います。
Q:中断期間でのチームの変化は
A:チーム全員で目指すべき目標を再認識することができました。日々のトレーニングに対して、選手全員が全力で取り組むことができていますし、チーム内での競争もしっかりあるので、良い雰囲気に変わってきていると感じます。このまま勝ち続けたいという選手全員の想いは変わりません。
Q:奈良クラブ戦に向けて、意気込みをお願いいたします。
A:本気で勝ちたいと思っています。個人としてもアシストやゴールでチームの勝利に貢献できるように頑張ります。