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シマダノメ

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シマダノメ Season3 第5回 深掘りインタビュー 永田拓也 選手

『シマダノメ 深掘りインタビュー』のSeason3第5回目は永田拓也選手の登場です。31歳とベテランの域に入りつつある左サイドバックの頭の中にある、クロス、守備、残留争いについての思いを言葉として表現。淡々と、時にユーモアを交えながら、しかし静かなる闘志も感じるインタビューとなりました(取材日/10月20日)。

―11月13日の第39節の山口戦が4カ月ぶりの復帰戦となりました。山口戦のメンバー入りを知った時の気持ちは?
ケガをしていている間にチームはかなり苦しんでいました。その中で自分は何もできないという悔しさがあったので、チャンスをもらった時は「やるしかない」という気持ち。うれしいのですが、状況が状況でしたし、残留を争う山口が相手ということもあって負けられないという責任感の方が大きかったですね。
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―不安は?
フィジカル・コンディションにおいてのものではなく、久しぶりの試合ということでの、試合勘というところでの不安は多少ありました。でも、一生懸命やれば何とかなるんじゃないか、なるようにしかならないと最後は開き直りました。試合に入る前では緊張感がありましたが、僕は試合に入ってしまえば夢中になるほうなので大丈夫でした。
―その山口戦でボランチとしてコンビを組んだ西村恭史選手に話を聞くと「実戦でコンビを組むのは初めてだったけど、特に守備の面で安心感があった」と。
ヤス(西村選手)はボールを動かせるし、守備もできる。良い関係でプレーできたんじゃないかと思います。
―西村選手は「守備の連係は良かったが、攻撃面で二人がもっとうまく絡めればチームの攻撃も迫力が出るだろう」とも話していました。
そうですね、そこは僕も感じました。残り試合は少ないですけど、そこはもっと高めていきたい部分です。
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―復帰が決まった時の周囲の反応は?
山口戦のメンバー入りが決まって両親に連絡した時は「ケガだけはしないようにね」と言われました。僕はこれまでケガが多いので。
―ケガが多いということですが、北九州に来る前にケガを負った時と、今季ケガを負った時のリハビリ中の気持ちに違いはありましたか?
これまでは試合に絡めていない中でのケガでしたが、今年は試合に少し絡めた中でのケガだったので、落ち込んだことは確かです。でもその分、早く試合に出たいという思いもあって、そこを目標にリハビリを頑張れたところもありました。
―今回の負傷、リハビリを経験して自分の身体を変えて行こうという考えを持ちましたか。
身体の使い方がまだまだなところがあるので、工藤僚太トレーナーにいろいろとメニューを工夫していただきましたから、少しずつ改善できていると思います。今回は左ひざのケガだったのですが、僕のプレースタイルが結構無茶をする感じで、それに対応するだけの筋力がなかった、ということもケガの要因でもあるということで、そのあたりも強化していった感じです。
―リハビリ中にチームの試合を見て感じていたことは?
得点を取ってすぐに失点をするとか、終了間際に失点をして、勝点を自分たちで手放してしまうという形が多かったので、自分が出た時は、ゲームを締めるところで力を出さないといけないなと考えながら見ていました。
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―第12節・栃木戦が今季初出場。
トミさん(富山貴光選手)の終了間際のゴールで勝ちました。自分が試合に出ることができて、さらにチームとして7試合ぶりに勝つこともできたので、かなりうれしかったですね。
―そこから先発でのプレーが続きました。あのあたりは、個人的にかなり乗っている時期でしたよね?
プロになってそこまで連続してプレーしたことがなかったので充実感がありました。でも一方で、疲労をどうやって早く抜けばいいのか、そのあたりで苦労した時期でもありました。
―確かに、プロになってのリーグ最多出場は、昨季、鹿児島ユナイテッドFCでの4試合でしたからね。現時点で12試合に出場(第40節時点では13試合出場)していますが、試合に出るからこそ分かったことがあれば教えてください。
試合どうこう、自分のプレーがああだこうだ、というよりも、サポーターの存在の大きさを知りました。試合後にサポーター席の前まで行って挨拶をするでしょ、その時になかなか勝てない僕らに「まだまだだ」とか「次、頑張ろう」とか、温かい声を掛けてくれるんです。その声って、メンバー外になってスタンドから見ている時には聞こえない言葉、感じられない熱なんです。
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―12試合のゲームの中で対戦して、すごいなと感じた選手がいましたか?
僕、そういうのをあまり感じないと言うか…。夢中になってやっているからか、あるいは余裕がないからか、そういうのを感じなんです。
―さっき、自分は無茶なプレーをする、と言っていましたが、それは夢中のあまり、ということですかね。
それはあると思います。
―いま、残留争いをしていますが、その戦いの中に身を置いてみて感じることは?
プレッシャーはすごく感じています。試合に絡んでいるので責任を感じますし、でも胃が痛くなるほどではなくて…。
―プレッシャーに負けない強いメンタルが備わっている?
いいえ、少しうまくいかないとネガティブに考える方だと思います。でも一方でやるしかないと思うこともできる。自分でもよく分かりません(笑)。
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―チームには1999年生まれの「99年組」が5人。井澤選手、生駒仁選手、西村選手に髙橋大悟選手と佐藤颯汰選手。どういう関係ですか?
仲は良いです。僕はどちらかというといじられ役ですかね。一番、僕をいじってくるのはダイゴ(髙橋選手)。でも、ダイゴもみんなからいじられる。そういう関係です。いじられるのは嫌ではない。みんないじり方がうまいので、嫌な気持ちにはなりません。
―西村選手あたりは、少しこわいイメージがありますが?
見た目はいかついんですけど、すごく優しい。
―佐藤颯選手は同じ宮崎県出身。
小学生のころから知っています。対戦したのは1試合か2試合くらいですが、県の選抜チームで一緒にプレーしていたので、よく知っています。昔と今、プレースタイルに変わりはありません。
―99年組のほかの4人の性格が分かるようなニックネームをつけるなら?
ダイゴは寂しがり屋の「さびしん坊」。ヤスはむずいな…、「かまってちゃん」。ソウタはシンプルに「アホキャラくん」、ジンはのほほんとしている「マイペースくん」、かな。
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―井澤選手は自分の性格をどう分析していますか?
結構、気分屋なところがあると思います。乗り気じゃない時は、態度に出るらしいです。そこを同期はいじってくるんですけどね。
―春輝という名前は誰がつけたのですか、その名前になった理由は?
それなんですけどね……、本当か冗談か分からないんですけど、父にはこう言われています。僕は6月(14日)生まれ。それで、父は6月を四季で言うなら「春」だと思っていて、「春に輝く子で春輝にしたんだ。間違えちゃったんだよ」って(笑)。
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―宮崎の綾町出身ですが、中学時代に所属したのは熊本のソレッソというチームですね。
中学生になって僕は熊本にあるJFAアカデミー宇城で平日はプレーしていたのですが、そこは公式戦を戦うチームではなかったので、週末だけ全国でも強豪チームにあるソレッソでプレーしたいと思ってそこに入れてもらうことになりました。
―中学1年からJFAアカデミーで寮生活を?
そうです、ホームシックがやばくて、通常は1週間のうち週末は家に帰れるんですけど、アカデミーに入って最初の2週間は帰れなかった。そこで大泣きしました。夜になると寂しい。家族に会えないのもそうですが、友達に会えないのが意外にこたえましたね。
―中学卒業後は浦和レッズのユースチームに。
そこでも寮生活でしたが、もう泣くことはありませんでした(笑)。当時のトップチームはAFCチャンピオンズリーグで優勝した時で、ラファエル・シルバ選手とか柏木陽介選手とか、そうそうたる選手が揃っていました。公式戦の後の練習試合でメンバーが足りない時はユースチームの数人がトップチームの一員としてプレーできるんですけど、そういうのに2、3回呼んでいただきました。みんな良い人たちばかりで、よく覚えているのは遠藤航選手と関根貴大選手に話しかけてもらったことです。
―その時はボランチとしてプレーしたのですね?
そうです、あとフォワードでも。
―フォワードで?
そうなんです、高校2年の夏から高校の最後まではフォワードでした。
―その時の経験は今生きている?
例えば、ミドルシュートを狙って行くのは、フォワードでプレーしていた時にゴールを強く意識していたからだと思います。
―今季もミドルシュートを積極的に打っていますが……。
もう3回ほど、ポストやバーに当てています。もう少し、なんですけど…、そういうところがまだまだ甘いんですよね。
―もう、バー当てゲームとしては優勝レベルなので、そろそろ…。
ですね、そろそろ入れないと!
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―海外の選手で注目して見ているボランチは?
試合を見ないんですよ。Jリーグも自分のチームの試合、知り合いがいるチームの試合は見ますが、そのほかはほとんど見ません。ほかのスポーツもほとんど見ません。
―家で何をしているのですか?
YouTubeですね。最近は寝る前に、みんな知らないと思いますけど、『しょうやん男三兄弟パパ』というチャンネルにハマっています。
―なぜ、そのチャンネルに夢中に?
まだ小学生に満たない小さな三兄弟の日常を紹介するものです。長男は優しくて、次男が悪ガキ、三男が自由。そのバランスがすごく良くて。
―兄弟へのあこがれ? それとも子供のいる家庭への憧れがハマる理由でしょうか?
いえ、僕も弟がいるし、まだ結婚とか全然考えていません。なんかホンワカしていいんです。僕も集中して見るわけではなくて、何かしながら見るとか、そういうリラックスした状態で見ると心が休まるんですよね。ぜひ、見てください。
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―趣味は?
趣味と言えるレベルではないかもしれませんが、ゴルフですかね。徳島ヴォルティスに在籍している時に3人の先輩、長谷川徹さん、野村直輝(現・大分トリニータ)さん、杉本竜士(現・東京ヴェルディ)さんが新しいクラブセットをプレゼントしてくれて始めたのがきっかけです。
―ゴルフのどこに楽しさを感じるのでしょうか?
行くのはオフの日ですよね。景色の良いコースに出て、そのオフ感を満喫するのが好きなんです。サッカーからの気持ちの切り替えにちょうどいい。
―スコアは?
ベストは116、平均120くらいですかね。
―じゃあ、そこまでうまくはない?
はい……。
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―食べ物の好き嫌いは?
みょうが、しょうが、オオバとか薬味系が得意ではありません。あとは和菓子も苦手です。あんことか。
―今季、北九州の一員になると決断した時はどんな思いがありましたか?
99年組が僕を含めて5人もいることで迷ったんです。同期はどうしてもライバル心が強くなるから、少しぎくしゃくした関係になるかもしれないと感じたので。でも、ヤス以外、ソウタは小さいころから知っているし、ジンもダイゴも鹿児島出身で少しは知っている選手だったので、大丈夫かなと思って入ると決めて、実際、いまは良い関係になっているので、北九州に来て良かったと思っています。
―いま、どういうプレーに楽しさや面白さを感じていますか?
ボールを奪った時、ですかね。相手のカウンターを阻止するとか、守備に面白さを感じています。もともとスムーズにうまくプレーするんじゃなくて、どちらかというとガチャガチャしたプレースタイルなので、守備の方が合っているんじゃないかと思います。
―でも、配球術もなかなかのものです。
そうですね、ロングパスが通った時は確かに気持ち良いですね。
―このインタビューが掲載されるのは千葉戦を終えて残り2試合となったあたりです。最後の戦いに向けての意気込みを。
選手みんなが思っていることですが、J3へ降格することはできません。選手、スタッフ、サポーター、スポンサーの方々、本当にたくさんの人がいろいろな思いを持ち、戦ってJ2に上げてくれたはずです。だから今、チームの一員である僕たちがJ3に降格させるわけにはいかない。最後の最後まで、残留に向けて全力で戦いますので、これまで同様に力強いサポートをしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
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文・島田徹 写真・筒井剛史
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今回のイチオシ商品

オマールスープ
(300g・3~4人前)
定価646円(税込)

牛乳で2倍に希釈して温めるだけで本格オマールスープの完成。オマールの旨味がぎゅっとつまった、濃厚で香り豊かなスープです。

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永田拓也選手の一口感想

「エビの風味が強くておいしいですね!普段スープは飲まないんですけど、これは進みます(笑)」

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